この会について

中国甘粛省、シルクロードの要衝・河西回廊。


その西部、祁連山の麓に、約1600年の歴史をもつ昌馬石窟があります。東京から飛行機を乗り継ぎ、現地の空港から車でさらに数時間の場所です。

ここ昌馬では、石窟に残された文化を未来へ伝えるため、2023年から研究に基づく壁画模写(研究性模写)をはじめとして様々な活動が続けられています。その活動は現在、昌馬石窟を起点として、河西回廊に点在する中小石窟の模写・研究へと広がりつつあります。


この度、その活動を主宰する画家・劉慶楊さんと、劉さんの師であり、半世紀にわたり敦煌石窟の研究や壁画模写、作品制作に携わってこられた趙俊栄先生をはじめ、活動を支える方々を東京にお迎えします。


壁画を研究し、模写し、未来へ伝えていく昌馬での活動。

身体を通して受け継いだ芸を、次の世代へ手渡していく狂言。


ジャンルも国も異なりますが、そこには「人から人へ受け継がれる」という共通点があります。


昌馬と日本、それぞれの場所で文化を受け継ぐ人々が同じ場に集い、文化を未来へつなぐことについて、ともに考える文化交流の会です。

露歯菩薩 西夏時代 昌馬石窟第2窟

2025年8月 現地の文化財保護部門担当の同行のもと、奥津健太郎撮影


昌馬石窟と昌馬世瑞

昌馬は、中国甘粛省西部、シルクロードの要衝・河西回廊の南縁にあります。

この場所で、劉慶楊さんを中心に始まった文化継承の活動が「昌馬世瑞」です。

古い壁画をただ写し取るだけではありません。


現地には、活動に賛同する若手画家や研究者、ボランティアが集い、研究性模写、資料の整理や記録、新しい作品の制作など、多様な活動が行われています。


その中で培われた知識や技術は、人から人へと受け継がれています。

活動は地域住民や地元行政をはじめ、多くの人々に支えられています。その成果は、毎週行われるオープンデーや、2025年に完成した昌馬石窟歴史文化陳列館などを通して広く公開され、地域にも還元されています。


今回、その活動に関わる皆さんを日本にお迎えします。


お招きする方々

劉慶楊氏

画家/「昌馬世瑞」主宰

玉門市博物館学術委員会副主任 

2023年から、昌馬石窟を中心とする文化継承の活動「昌馬世瑞」を主宰されています。

今回の文化交流の会では、昌馬石窟をはじめとする河西回廊の中小石窟のご紹介に加え、現地に集う人々がどのように出会い、学び合い、文化を未来へつなごうとしているのかについてもお話しいただきます。


趙俊栄氏

元・敦煌研究院美術研究所副研究員

劉慶楊氏の師

1970年代より、敦煌石窟の研究や模写、作品制作に携わってこられました。副研究員は、専門職の上級研究者にあたります。半世紀にわたる敦煌壁画の模写と研究を通して培われた技術と精神は、次の世代へと受け継がれ、その経験は現在、昌馬世瑞の活動にも生かされています。氏の作品は、1980年代から近年まで、日本の美術館でもたびたび展示されてきました。


趙育征氏(右)

趙俊栄氏夫人

趙氏の活動を長年支えてこられました。

この度、ご夫妻そろって日本を訪問し、今回の文化交流の会にご参加くださいます。


韓斐氏(右) 蔡増智氏(左・線描をしている写真)

大勢のボランティアが関わる昌馬での活動を日々支え、ご自身も活動に加わるお二人です。

今回、劉慶楊さんに来日を打診したところ、趙俊栄先生ご夫妻、韓斐さん、蔡増智さんも同行し、この文化交流の会に参加したいという、誠にありがたいお申し出をいただきました。


師と弟子、家族、そして活動を支える仲間。


文化が人から人へ受け継がれる、その「つながり」まで日本にお迎えできることになり、この機会がより一層貴重なものとなりました。


私がこの会を開く理由

私は狂言の演者として、先人が数百年にわたり伝えてきた芸能を舞台で演じ、次の世代へ伝えていく、その一端にも携わっています。


今回、日本にお招きする劉慶楊さんとは、2020年にネットを通じて出会いました。


その後、劉さんは中国西域各地の中小石窟を訪ね、2023年に昌馬で壁画模写を中心とするプロジェクトを始めました。


私は、劉さんの日々の投稿を読むうちに昌馬での活動に関心を持つようになり、2025年夏、初めて一人で昌馬を訪れました。そして2026年8月には、息子の健一郎とともに再び昌馬を訪ね、現地の活動に参加しました。

そこで感じたのは、文化を未来へ伝えることは、単に古いものを保存することではない、ということでした。


石窟壁画と狂言は、一見、まったく異なる文化に見えるかもしれません。


けれども昌馬には、先人が残したものと向き合い、学び、自分の身体と手を通して受け取り、次の世代へ手渡そうとする人々がいました。活動に惹かれて集まる若者たち、場をつくる劉さんたち、そして、さまざまな立場から支える人々。


そのあり方には、日本の伝統芸能に携わる私にとっても学ぶところが多く、文化継承の一つの形として強く心に残りました。そして、文化を受け継ぐとはどういうことなのか、何のためにそれを次の世代へ手渡していくのかを、改めて自分自身の問題として考えるようになりました。


今回お招きするのは、私が現地で実際に出会い、交流を重ねてきた方々です。皆さんがこの会の趣旨に賛同し、東京に来てくださることになりました。


中国の文化を「紹介する」だけではなく、昌馬と日本、壁画と狂言、それぞれの文化を受け継ぐ人々が同じ場所に集い、顔を合わせて交流する。


そして、伝えられた文化を私たちはどう受け取り、次の世代へ手渡していくのかを、会場の皆さんとともに考えたい。


その思いから、この会を開くことにしました。

奥津健太郎

12月19日、池田山舞台で

狂言小舞、河西回廊のお話、そして交流。


会のはじめに、奥津健太郎と奥津健一郎が狂言小舞を演じます。


続いて、劉慶楊さんから、昌馬石窟をはじめとする河西回廊の中小石窟と、そこから広がる模写・研究・文化継承の活動について、写真や映像を交えながらお話を伺います。


一般財団法人日中文化交流協会にご協力いただき、劉慶楊さんのお話は、横川康氏が逐次通訳いたします。


後半は、会場の皆さんからの質問も交えながら、来日する皆さんとの交流の時間を持ちたいと考えています。

50名ほどの小さな会だからこそ、お互いの顔が見える距離で言葉を交わせる場になればと思います。


こんな方にご参加いただけたら

河西回廊や石窟について詳しい方も、初めて知る方も、どなたでもご参加いただけます。


シルクロードや中国美術、能・狂言などの伝統文化、文化継承や国を越えた人と人との交流に関心のある方。

それぞれのご関心を入口に、ご一緒いただければ嬉しいです。


開催概要

名  称 文化・芸術は、人をつなぐ。― 河西回廊の石窟を未来へ ― 劉慶楊氏と出会う文化交流の会

日  時 2026年12月19日(土)

     開始 13:30(受付13:00より)/終了予定16:15

会  場 東京五反田・池田山舞台

     ※個人所有の舞台のため、会場の詳細は参加が確定した方にメールでご連絡いたします。

募集人数 50名(全席椅子席・自由席)

参加費  一般参加 10,000円

     文化交流応援参加 15,000円

     ※文化交流応援参加については、この下に詳細を載せております。ぜひご一読ください。

主  催 奥津健太郎(狂言方和泉流)

協  力 一般財団法人日中文化交流協会

通  訳 横川康氏(一般財団法人日中文化交流協会)


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文化交流の会終了後、懇親会を予定しています(希望者のみ)

時 間 17:00〜19:00頃

会 場 会場付近のお店

参加費 6,000円程度を予定

懇親会参加申し込み締切 12月1日(火)

※文化交流の会の申し込み時に、懇親会の参加希望を受け付けます。人数に応じて会場を決定し、詳細は後日ご案内いたします。

※懇親会費は、文化交流の会の当日受付で、現金でお預かりする予定です。

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現在、中国側来日メンバーのビザ発給前のため、先行して仮申し込みを受け付けています。ビザ発給後、正式な参加受付を開始し、仮申し込みをしていただいた方へ順次ご案内いたします。仮申し込みの段階では、参加費のお支払いは必要ありません。


この文化交流をより応援してくださる方へ

今回の会は、国や企業、団体からの助成金や協賛金を前提とせず、参加してくださる皆さまとともにつくる文化交流の会として企画しています。

通常の参加費は10,000円です。

この文化交流を、より応援してくださる方がいらっしゃいましたら、「文化交流応援参加」15,000円をお選びいただけます。

参加内容や座席等に違いはありません。

差額の5,000円は、会の開催および今回の文化交流全体を支えるために、大切に使わせていただきます。


中国の昌馬と日本の東京。

遠く離れた二つの場所で続く文化継承が、

12月19日に出会います。


文化・芸術は、人をつなぐ。


皆さまと、その時間をご一緒できることを楽しみにしています。